ト◯×

鉄道、音楽、日常、懐古

LA LA LANDを観てきたよ

最近、youtubeサカナクションをひたすら聴くのがマイブームです。apple musicでも聴けるのですが、ブラウザを使っていることが大半で楽なこと、別に今や違法でも何でもないからまぁいいかな…と思うとついついそうなってしまいます。

先日、サカナクションの上京物語みたいな話をするというので、ラジオのSCHOOL OF LOCKを何年かぶりに聴きました。登戸での製作の日々や下北沢の情景の話が面白く、小田急線沿線に住んでたから楽曲のSEで使われる音が小田急だったりするのかな、と思ったり。東京という土地が持つ力や魅力の話をしていたのが印象深かったです。

 

昨日、映画「LA LA LAND」をやっと観てきました。チャゼル監督の作品ということで公開当初から期待できそうだなと思っていたらアカデミー賞で想像以上にすごいことになっていて驚きました。とりあえず上映期間に間に合ってよかった…レイトショーしかやってなかったからわりと危なかったかも。

 

サントラからの引用はあるものの、あらすじのネタバレはあまりしない方針で感想を書いていきます。

 

ミュージカル映画へのノスタルジーと言うものの

映画の冒頭のシーンは、今まで人生で見た作品の中でも最高のつかみの良さでした。「これからミュージカルの映画がはじまるよ!!」と言うのをとっても分かりやすく表すオープニングの踊りと物語全体のイメージを提示する歌が、オペラの序曲のような役割を果たしていました。ミュージカル映画を初めて観る人に対するハードルを一気に下げる意味でも非常に良心的でした。そのかわり、全体としてはミュージカル映画という割には歌や踊りがちょっと物足りないかな…という印象も。そのリソースをジャズに割き過ぎてしまったかなと思わなくもないところです。

映像は、「セッション」とは全く異なり、ちょっと昔の映画のような雰囲気(と思ったらフィルムを使って撮影されたそう)でした。各シーンでの台詞からも、全体的に古き良き時代の映画を意識しているつくりだなと感じました。実際にそういう評価や、関係者のインタビューもあるみたいですが、個人的には、このような映画を観ない人にはなかなか新鮮に映ることでしょうから、結果論ではありますが、単純にノスタルジーな映画で片づけるのはちょっと勿体ないかな、と思います。

 

◇最後のシーンについて

この映画でおそらく賛否が分かれるのは最後のシーンかと思います。個人的には、それはそれはきつかったです 笑 ほんとに泣くかと思った。

劇中でも最も雰囲気が違う箇所で、これをどう表現すればいいのかなと一日悩みましたが、一番しっくりきたのは、「ミュージカル(映画)のなかで上演されるミュージカル」という言い回しでした。日本の漫画やアニメだと度々あるパターンですね。というか、こう思わないと心のざわつきが静まらないです。

結末自体は、昔見た映画とほぼ一緒の展開でしたが、その映画より何千倍も華やかに終わった一方で、その華やかさがズキズキと痛かったです。

 

◇The Fools Who Dream

作中の楽曲で最も好きなのが「The Fools Who Dream」です。歌われるシーン、歌詞が絶妙でした。言葉足らずで恥ずかしいですが、まさしく迫真の演技でした。雰囲気が「レ・ミゼラブル(2012)」のどこかのシーンに似てたけど、どこだったかな…。

この歌までの経緯もまた、自分の心に突き刺さるものでした。夢を追っかけていくこと、そんな人々を惹きつけるロサンゼルスという土地、これらが図らずも冒頭で書いたサカナクションと東京の話にも結び付きました。また、今の自分自身の心境にもリンクしてしまいました。なにしろ、映画を見る30分前まで大学の友人に「俺の将来ってどうすればいいかな?」とLINEを送ったところでした。

 

 

去年の「シン・ゴジラ」を観たあたりから何となく映画熱が高まり、色々と観ています。

映画に関しては、音楽や鉄道と比較すると偉そうなことの言えない素人ですが、小さい頃に名作を一通りみたことや自分で撮ったことから、何となくではありますが、掘り下げ気味に観ています。純粋に色んな映画を楽しめそうで楽しめないような気がしてやや複雑なところです。

 

何にせよ、「LA LA LAND」、とても良かったです。そんなゴールデンウィーク前日でした。